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学研のおはなしえほん
みつばちまーやのぼうけん
1971年4月1日発行
今回は、どこにも作者、画家の表記がありません。
なのでここからは想像で書きます。
原作はドイツの
ワルデマル・ボンゼルス
と言う事で本来は、ヨーロッパ、ドイツに住む養蜂ミツバチが主役だったのでしょう。
(西洋みつばち)
なので正確に絵を描くには、資料をとりよせ、その地域の草花、昆虫を調べて描くのがスジなのでしょうが。
昭和の幼児にそこまでやってやる必要もないので、あっさり日本在来の昆虫、草花に変わっております。
ドイツにナナホシテントウ虫がいるかどうか知りません。
さて、”おでかけまーや”は、おしゃれです。
ピンクのスカーフを首に巻き、赤いブーツを履いて、水色のバケツを小脇にちょっとギンブラな感じです。
キャラクター化されていない妙にリアルなミツバチなのに・・・。
他の昆虫はリアルなままです。
小道具は用意されておりません。
この画家の昆虫の描写力は並ではありません。
ギンヤンマに捕獲されるハエのリアルさ!
まあ、なんだかんだ”冒険”したまーやがついに、クライマックスで宿敵くまばちに捕まります。
ここで気になるのが、敵のくまばちですが本来はくまばちはこういう行動をとらないのですが、(どちらかというと、スズメバチ)まあ、物語上いいでしょう。
それよりも気になるのが、くまばちの被るヘルメットです。
なんか見た事あるなあと思ったら、
武部本一郎画伯描くところの「火星シリーズ」の挿絵のヘルメットにそっくりです。
もしも、この絵本が武部画伯の筆によるものであれば、
1965年「火星のプリンセス」E.R.バローズ
1970年「ひつじかいのほし」
1971年「みつばちまーやのぼうけん」ボンゼルス
と繋がっていくのであります。
私は時系列を重要視しております。
画家の方の作品を見ていくのに、代表作のみをとりあげる事があまり好きではありません。
どんな、画家であろうと作家であろうとデビュー作は荒削りであっても、何かパッションが飛び散っていたりします。
脂が乗っている時は筆が走っていたり、じゃあ晩年はどうだったのだろうか。そんな事を考えながら見たり読んだりが好きなのです。
さらに、その時その時、必ず何かに影響しあったりするはずなので、それを紐付ける作業も好きです。
一人の作家の成長なのか、破滅なのか、それをみる事で何か感情を揺さぶられたいのです。