火星のプリンセス
(火星シリーズ1)
著者/エドガー・ライズ・バローズ
訳者/小西宏
挿画/武部本一郎
1965年10月8日初版
1977年8月12日38版
前回”みつばちまーやのぼうけん”に続き「武部本一郎」画伯のお話をさせていただきます。
幼児のころその”学研のおはなしえほん”シリーズが大好きで読んでいたのですが、多分それほど武部画伯の絵を意識する事は無かったと思われます。
毎回、色々なテクニックで描かれる絵本に対して、わくわくしながら読んでいたとしても、特定の画家に感銘を受ける事はありませんでした。
真の意味で武部画伯の絵に震え上がったのは後も後。
おそらく中学二年生の頃だと思います。
その年齢の少年というものは、まさに思春期真っ盛り。
女の子の事が気になって気になって、どんなモノでもどんな言葉でもエロに聞こえる。
それは、戦国時代が終わり、関東に徳川家康が幕府を開いた、
“エロ時代”が始まった年でもありました。
お金なんて無い頃ですから、本が読みたければ図書館に行くしかありませんでした。
そうして、図書館通いがはじまりました。
家から自転車で30分。
(スーパーカーライト付き5段変速自転車)
仮名[D図書館]とします。
そのD図書館のラインナップも中々のものでした。
その中から見つけた本それが
「火星のプリンセス」
その表紙、デジャー・ソリスの色気たるや・・・。
とにかく借りました。
いわゆる”ジャケ借り”です。
本の内容なんてどうでもいいのです。
とにかく挿絵を見まくりました。
こうして、武部本一郎画伯の名を覚え、D図書館の中を探し回る事となりました。
後年、物置から、学研のおはなしえほんシリーズを引っ張り出した時に、
「ああ、この本は武部画伯が描いていたんだ。」
と初めて気づき、自分の目のフシアナぶりに落胆した覚えがあります。
本編のE.R.バローズの書いた内容はここでは多く語りませんが・・・。
とにかく面白い。
ワクワク、ハラハラ、一級品の冒険小説。
火星シリーズ全11巻最後まで全力で楽しめる。